きっと。 [雑文たち]
手を伸ばせば届く距離に
あなたがいる
それだけで幸せです
あなたがくれた
言葉や CDや その手のひらから
伝わる あなたの気持ちだけで
私は幸せです
ほんのすこしでも
あなたに幸せを返せたらと
がんばってみるけど
私の手のひらには 乗り切らないみたいで
ぽろぽろ ぽろぽろ
こぼれるばかりで あなたには届かないのかな
2007-04-23 [雑文たち]
ちいさな ちいさな 秘密でも
あなたとなら こんなにも嬉しい
一歩ずつ。 [雑文たち]
それは 気の置けない友人と下らない話に興じる喫茶店でのひとときだったり
(カフェじゃなく喫茶店というところがミソなんだけど)
何もかもが嫌になりそうな帰り道の末 たどり着いた我が家の食卓だったり
(食事がすっかり出来上がっていればなおのこと!)
顔馴染みになったお店で焼酎をちびちび飲んでたら 唐揚げが美味しかったことだったり
(あのとき隣に座ってた見知らぬおじさん、唐揚げゴチソウサマでした)
震えながら歩く夜道で 見上げた星のきらめきに寒さを忘れた一瞬だったり
(口がぱっかり開いてて 後で口の中まで寒かったけどね)
そんな ちいさな幸せを胸に
僕はまた一歩 前へ
「ありがとう」と「さよなら」を。 [雑文たち]
道を降りてしまった あなたへ
「ありがとう」と「さよなら」を
それだけしか 贈りません
この道の上で 出会えたこと
あなたに見せてもらった たくさんの色
とても とても感謝しています
でも ふたつの言葉に込めたのは
私なりの 皮肉です
さよならを言わせてくれるまで 黙っていたのも
ありがとうを言ってから こうして言葉を選んでいるのも
道を降りてしまったあなたへ
私はまだ この道を歩いていきます
私が歩いていくことで 傷つく人がいるかもしれません
それでも 私は一縷の望みにかけているのです
私が歩いた跡が 誰かの痛む脚を
たとえ ほんのひとときでも
和らげることが出来るのではないかと
ほんのちいさな 仄かなものでも
ひかりとして 照らすことが出来るのではないかと
だから 道を降りてしまったあなたへ
私はまだ 歩き続けています
ちいさな ちいさな光を抱いたまま
歩いていきます
ひかりを [雑文たち]
遠くへと誘う 風が揺れる
いつかは容赦なく途切れる道へと
抜けない棘 小さな棘 痛い 痛い 棘
銀色に光る 鋭い棘
ささったやわらかな場所から 流れる血 朱く
声のない歌 朝の歌 目覚めの歌
聞こえない 風の歌
夜明けに思い出すのは 夢のかけら
こぼれ落ちて つかめない 夢のかけら
冷えた指に残る 最後のかけら
握りしめて 祈る言葉は
終わらせてしまった 人へ
違う道を それでも歩き続ける 人へ
ひかりを
せめて 足許を照らす ひかりを
闇、月、朝の光。 [雑文たち]
夜明け前の蒼い 蒼い空気
静かな冷たさ
例えようもなく重い
喉の渇きに起き出す自分は
例えようもなくひとりなのだと
グラスの冷水と一緒に
苦い思いを無理に飲み干す
やがて紫の光を孕む東の空
冷えた指先に籠もる熱
夜明けの産声に
目覚め動き出す街に
少しだけ 自分の生を実感できる
ああ どうか どうか
伸ばした腕は 届かなくとも
呟きは吐息にも似て
霞のように 月光のように
白く 細く 儚く
消えていく
さくらが夜明けに起きるのは前の晩にしこたま飲んでいるせいでございます。へろり。
奇跡の花 [雑文たち]
幼子はその手のひらに白い花片を乗せ
雪が降ってきたとはしゃぎながら走っていく
その姿は 初雪のように無邪気でにぎやかで
白い白い雪世界の中を 走っていく背中を見た気がした
いつかは消えてしまうその足跡に 虹色に咲く奇跡の花が
強がりな瞳で笑う あなたを祝福してくれますように
冷たく閉ざされた季節でも ひとりその身を抱きしめる夜も
ちっぽけな僕たちは 自分の花を抱いて 生きていく
眩しく華やかな季節も ふたり愛されたいと互いに願う朝も
消えそうな光を抱いて 白い雪世界の中へ 歩き出す